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木の花の考え方1/4

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子どもたちはずっと好きなところで好きなことをして遊んでいるんですか?

多様な体験の機会が学びを広げる土台!
いいえ違います。自由遊びはかなり自由だけれど、クラスでお集まりする時間もあるし、「お仕事
だよ」と子どもに課される活動もあります。多様な遊びにそれぞれ異なる多様な学びの場を作っています。

 自由遊びはかなり自由だけれど、クラスでお集まりする時間もあるし、「お仕事だよ」と子どもに課される活動もあります。見学の方が「こんな風にずっと遊んでばかりいるんですか?」と言われる時でも、当の子どもたちは、「忙しい忙しい。もう、お仕事ばっかりなんだから!」と言う時も。例えば、一見同じに見えるお絵描きも、子どもが自分で始めた「遊び」の場合も、クラスの「お仕事」の場合も、先生の「お手伝い」の場合も、「休憩」の場合も・・・・同じ子でも、いろいろなお絵描き。それが「豊かな体験」ということ。体験の豊かさというのは、珍しい体験や多彩なイベント、写真になるような思い出のことではありません。
 「お集まり」といっても、学校のように時間でチャイムはなりません。時間割が決まっているわけでもありません。「だいたい、たいてい、10時頃に」お集まりで、それも全部のクラスが、一斉に、とは限りません。あるクラスだけ早くにお集まりしたり、あるクラスの1つのグループだけがお集まり、ということもあります。
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お集まりして

どんなことをするのですか?

一つのテーマをみんなで共有する楽しさを味わう!
クラス、学年、あるいは縦割り、ときには全園児で多くの仲間と何かを共有する時間と場を通じて、他者との共感、仲間意識、個々の存在感や自己発揮、あるいは協同して創り上げる充実感等々を得ていきます。

 朝のお集まりは、おはようの歌を歌って、みんなで「おはよう」

のあいさつをして、・・・そして、先生たちがその子たちといっしょにやりたいことを。たくさんの人数でやると楽しい!を体験してほしくて、ゲームや体操やダンスをすることもあります。それは、「楽しむ」レパートリーだから、自信のない子はちょっと離れて見ていても構わない。見ていることも参加していること。どうしようかなあ、って迷う時間も大切だし、じっくり見て、ちゃんと理解してからでないと動きたくない子もいますから。 

 「天気もいいし、こういう日は散歩だね」と出かけることもあります。車に気をつけたり、川に落っこちたりしないように歩く体験もしてほしいし、園外で子どもたちが見せる、園の中とは違う姿も見たい。お弁当の日は、お弁当持ちででかけるかもしれません。「今度**幼稚園に遠足にいく時、おみやげにクッキーを作るよね。お散歩の途中に、材料を買ってこようか」ということになるかもしれません。で、「どこで買う?」「クッキーの材料ならアピタまで行かないとそろわないんじゃない?」「近くに公園もあるしね」・・・・年少さんなら、これは先生たちの間でする相談ですが、年長さんなら、先生と子どもたちの間でこんな会話をして今日の予定が決まることもあります。また行事に向けた取り組みをお集まりの活動としてすることもあります。

 

 行事のための取り組みは、木の花でも1年の保育の流れの大切な節目であり、きっかけです。

 入園式、創立記念日、お泊まり保育、運動会、木の花まつり、発表会、卒園式、などなど。子どもたちにはそのための取り組みがいろいろ。

 例えば、お泊り保育。夜ごはんや朝ごはんのメニューを考えたり、夜寝るところを考えたり、夜のお楽しみを考えたり・・・・・。あるグループは流しそうめんを夜ご飯のメニューに決めて、竹を取りにお寺まで鋸を持って取りに行ったりしたことも。切って持ってきた竹を割って削ったり磨いたり、出来た竹を繋いで実際に流れるか実験したり、あるいはそうめんの出し汁の作り方をおうちの人に聞いたり・・・・。また別のグループは星空を見たくて寝る場所を屋上に決めてテントを張ることに。テントを持っている子のおうちのお父さんにお手紙を書いたり、実際にテントを立てて寝る練習をしてみたり。他にも当日行く銭湯に入浴料を聞きに行ったり、プールで頭を洗う練習をしたり、夜のお楽しみの「お化け屋敷」の製作に勤しむ子どもたちも・・・・。

 

幼稚園という空間からさらに家庭や地域にも出かけて、子ども達が様々な活動に取り組んでいく、そこでまた色々な出会いと体験を積む、行事はそんなきっかけのひとつです。

 外から突然持ち込まれるものが、その日の活動になることもあります。例えば、誰かのおうちから、「親戚からたくさん届いて食べきれないから」と白菜をもらったら、「年少さんでお料理しようか。白菜なら手でちぎれるし」「子どもらが作ったお味噌、まだ残ってたよね」と、お鍋のクッキングが年少さんのその日の活動になったりするのです。

 近江町市場から、「子どもの絵のコンクールをするので食べ物の絵を出して下さい」と依頼がきたら、あるクラスでは「おうちにある野菜をひとつ持ってきてね」と子ども達に頼んで、子どもが自分でおうちの人に伝えるチャンスにしよう、というねらいの活動になるかもしれません。また別の先生は、「食べ物の絵コンクール」を子どもたちが畑で栽培している野菜をじっくり観察する機会にしよう、と思うかもしれません。畑は狭いから(畑といっても、大きめの花壇ですから)グループ毎に順番に行くことにしよう。その間に他のグループは、お泊まり保育の献立を相談しよう・・・・というように、クラスの活動が二つ以上あって、それらが並行して進む場合もあります。

 クラスの活動で「絵を描く」としても、クラス全員に一斉に紙を配って描くとは限りません。その間、クラスの他の子たちは自由遊びになるかもしれないし、上の学年のクラスとダンスの縦割り体験になるかもしれないし、フリーの先生とお散歩にいくグループ活動になるかもしれません。こんな多様な活動の組み方が出来るように木の花にはクラス担任ではない、フリーの先生がいます。             

 

 畑にお絵描きに行った子どもたちが見たこともない虫を発見!「何してるの?」と寄ってくる年少さんに説明したり、虫をつかまえてあげたり・・・。「図鑑、見てみよう」と捜しに行ったり「ねえねえ、これ知っとる?」とお部屋でお泊まり保育の献立を相談中の子らを誘い込んだり・・その様子を見て、先生は「ちゃんと、お仕事しなさーい!」と叫ぶかもしれないし、「野菜の絵と献立の相談は明日にして、今日は虫の観察にするか」と予定を変更するかもしれません。こんなふうにして、結果的に、その日のクラスの活動を子どもたちが決めていくこともよくあります。子どもたちには幼稚園での生活を決める権利があります。「今日は何する?」と言葉で相談することが「子どもが自分で決める」ことではありません。そして先生も子どもたちにいっぱい提案します。先生にも「この子どもたちとやりたいこと」がありますから。

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絵本の読み聞かせもしますか?

食事と同じく日常の中に溶け込む生活の一コマ!  
もちろんします。絵本や紙芝居、歌や合奏、ダンスや体操、折り紙やお絵描き等。
それらは、幼稚園にとっては お昼にごはんを食べるのと同じくらいの日常、生活の一部です。

 絵本や紙芝居、歌や合奏、ダンスや体操、折り紙やお絵描き…それらは、幼稚園にとっては お昼にごはんを食べるのと同じくらいの日常、生活の一部。
 お帰りの前のお集まりには、たいてい、どのお部屋でも先生が子どもたちに絵本か紙芝居を読んでいます。「ごめんねえ。今日は時間がないから、明日2つ読むからね」なんてこともあるけれど。先生が、この子はお話を聞くのが苦手かな、と思ったら、少ない人数で読んでみようとか、言葉あそびの本はどうかな、絵だけの本はどうかな、と読み聞かせもいろいろ。
 「発表会で劇をしたいんだけど、何のお話がいいと思う?」と相談したら、子どもたちが「絵本見てみよう」と木の花文庫(絵本コーナー)に駆け出して、それぞれがもって来る本を先生がひたすら読み続けた日もありました。
 木の花文庫は、その数も、その内容もなかなかのもの。アフリカやアジアの物語も、絵そのものを楽しむものも、言葉の響きを楽しむものも。図鑑のような調べるための図書は、小中学生、あるいはおとなも楽しめるレベルのものまで。おうちに貸し出すこともしています。
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クラスのほかに「グループで」という活動
があるんですね。グループって何ですか?

多様な出会いと自己発揮の場!
いろんな子と出会うためにグループ活動があります。その中で気の合う新たな友達と出会い、普段とは違う自分とも出会います。

 いつもいっしょ、の仲よしの関係もいいものだし、自由遊びの中で深まっていく友だちも関係もあるけれど、自由遊びだけではいろんな人とは出会えない。「仲良し」ができちゃうと、新しい出会いは起こりにくいですし、おうちの方を安心させるために「仲良し」しちゃう子もいるんですから。(そんなことがあるから、「誰と遊んだの?」「お友だちできた?」って聞かないでね、とおうちの方にお願いするくらい。)じゃあ、どうすれば子どもはいろんな人と出会えるの・・・・・?
 それがグループ。自由遊びは好きな子と、でも「お仕事」は違う子といっしょにやってみようよ。5,6人でお散歩に行ったり、お料理したり、バザーのお店屋さんをしたり・・・・。いっしょに「お仕事」すれば、それまであまり知らなかった子のこともわかってくる。
 合わない子とつきあう経験だってしておいた方がいい。「イヤな子!」と思っていたけど、ふーん、こんな子だったんだぁ」と、人を知る体験、発見する体験をしたら、それはその子の一生の財産です。

 出会わせてみたい子を先生が組み合わせる場合もあるし、「木の花祭りでしたいお店」という活動の選択肢で集まった子でグループを作る場合もあります。例えば、「木の花まつりで大工屋さんしたい子」「めった汁屋さんをしたい子」「劇場をしたい子」というふうに。偶然に任せてくじびきや、ゲームで決める場合もあります。グループの人数も、取り組む活動によって様々。子ども達でその日の給食を作るグループクッキングは、5~6人で献立を考え、買出しやお料理を担当します。またクラスを超えて、年中と年長のたてわりグループでお芋畑の草むしりにいったり。出会いのための少人数の場がいろいろ。同じ活動も違うメンバーとすると、違うものになる、だから面白い。

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