夏を思わせるような陽気が続くかと思えば、一転肌寒い日もやってきたり、と寒暖差が激しい四月は、新入園の子どもたちの威勢のいい(笑)泣き声が響き渡る日々が寒暖差を超える波のように続きました。ご近所さんも「始まりましたねえ~」と恒例の春の風物詩をにこやかに感じ取ってくれています。入園式に残っていた枝垂れ桜も翌週には花びらを園庭に散らし、代わってぐみ棟前のアケビの花が可憐な姿を見せ、コナラ(ツリーハウスのあるどんぐりの木)やトチの木(その隣)から新芽が伸び、新緑眩い(まばゆい)季節と共に、新入園の子どもたちも徐々に園の生活にも馴染み、気付けば、朝の喧騒も散発的に・・・。幼稚園生活もほぼ通常モードになり、すかさずあゆどんは庭の作業を再開しました(只今ツリーハウスの補修中です)。
さてそんな新入園の子ども達に目が止まる在園の子らの遊び。
今の旬は、庭の土を掘って水を加えて泥料理に新緑の葉っぱを加えて(シャベルを包丁のようにして刻んでいる子も・・・)、なかなかエスニックな料理を創っていたり、砂を集めて網でこして「サラサラ砂」を作って「調味料」にして調合したり、泥団子にかけたり、あるいは土を掘り返して地層の中の赤土(子ども曰く「オレンジ土」とか)を発掘していく子もいれば、幼虫やミミズ、ダンゴムシなど見つけて集める子も…。水に土、砂、泥、葉っぱ、花、虫等々そんな原初的な自然素材の遊び風景に新入園の子どもたちも心惹かれるようです。
そして木の花春の風物詩と言えば、夏ミカン。年長、年中の子どもたちが木登り&棒(木の花の庭遊具でもある黒と黄色の通行止めの棒)を駆使し奮闘努力の末に採取した夏ミカンの甘酸っぱい味わい。「おいしい」とおかわりをおねだりするもいれば、「すっぱい」と口をすぼめる子もいたり、感触と匂い、そして味覚をそれぞれ味わっていました。
ツリーハウスの屋根の補修作業なので、その周辺部は閉鎖(立ち入り禁止エリア)にしつつ、ツリーハウスそのものは遊びとしては開放していました。去年まで登れなかった年長さんがツリーハウスに登れるようになったのが嬉しいようで、「あゆどん、気を付けてね」と盛んに声をかけてくれます。そして「はじめてのキャンプごっこしよう・・・」とツリーハウスを箒をあげて掃除し、おままごと道具を持ち上げて、晩御飯作りへ・・・。モノの上げ下ろしなどのチームプレイもさることながら、お父さん役、お母さん役など、実際のキャンプ体験をもとにごっこ遊びとしても見ていて笑えます。(特にお母さん役の子が厳しくて、父や子どもたちに叱咤、叱責の数々。「カレーライスにしよう」という声も「オムライスとケーキです」「キャンプなんだけどな・・」ぶつぶつと「お父さん」…笑)
ごっこ遊びと言えば「工事現場」ごっこも相変わらず盛んです。ツリーハウスでの作業中も頼んでもいませんが、三角コーンを持ち出して、ツリーハウスの周りに敷き詰めて、コーンの穴にはホースを入れて通れないように封鎖・・・。「ここは入れんからね」と新入園の子らに釘をさす先輩ぶりを発揮する年中さん。もちろん自分たちも作業奥の倉庫側から庭の階段裏手にも「工事現場」を作り出して、「入ったらだめ」と、怪しげな「実験」作業に奮闘中です(笑)。
そんな年長、年中さんは新しい部屋&ベランダもお気に入り。
年長、年中の部屋(&ベランダ)にも足を伸ばすうめももちゃんたち、ぐみちゃんの姿もあれば、カメ子当番の年長さんのお仕事風景にも新入園の子どもたちには興味いっぱい。中にはお手伝いを勝手出るうめももさんも・・・。
上の学年の子どもたちの様子を「見る」「聞く」「感じる」ことで自然と行動半径も広がり、木の花暮らしの生活拠点を自分自身で掴み取っていく様子が伺えます。先日は初めてのお誕生会も体験。みんなでする非日常のお楽しみのお集まりも満喫していた新入園の子ども達(ぐみちゃんはぐみ棟にて)。入園モードの喧騒とした日々を経て、自由遊びでそれぞれがペースを掴み、クラス・学年でのお集まり、活動へ…というリズムを少しづつ創り出しています。
そして新緑が深まる季節に合わせて、陽光を浴びながらお散歩や遠足など地域へと行動半径を拡げていく5月を迎える幼稚園です。
あゆどん(記)
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