木の花祭りウィーク、先週土曜日(11月16日)の大人のお店版(「木の花祭りファイナル「ビックバン!」)をもって終了しました。
8日の年長&年中のお店を皮切りに、14日に年長&年少&どんぐり組 15日に預かり保育の子らによる夕方のお店、そして16日の大人版のお店と繋いだ木の花祭り。ファイナルの大人のお店版では、地域の方や卒園生なども多く来園。在園保護者、卒園生等の売り切れ御免のお店各種、サークルさん等の舞台でのアトラクションなど、賑やかな木の花祭りの雰囲気を昨年度以上に醸し出していました(サークル活動の発表の場の一つとしても木の花祭りは活用のし甲斐がありますね)。
バザー係のお母さんたち、売り切れごめんの店の方々、サークルでご参加の方々、足を運んでくれたお家の皆さん、本当に有難うございました。(なお余った商品のアフターバザーがあるそうです。どうぞまたご協力のほどを。そして職員室からは限定販売の木の花暮らしのイラストポストカード&バルーンの店を今年は能登の豪雨被害の子どもたちへのチャリティのお店として開店。多数のお買い上げ感謝です。)
それぞれのテーマで楽しむ・・・
各学年それぞれ運動会、あるいは一学期からの遊びや活動のテーマをお店のコンセプトに据えて、取り組んできました。年少さんは「キノコ」に「新聞」。年中さんは「たまねぎ」、そして「草木染」。そして年長さんは「龍」。
運動会は遊戯・演技・競技という形で集約するような中身の中でクラス全体での一体感をもたせる方向性に対して、木の花祭りはお店という形でテーマを土台により個々の(グループの)アイディア等で拡散、展開していく方向性をとるのが木の花祭りのポイントです。「キノコ」「新聞」、「玉ねぎ」「草木染め」、そして「龍」でどんなお店ができるのか?子どもも大人も知恵を絞って色々な提案があり、実際に試してみたり、試作品を作ったり、「商品」として「お店」として面白そうなものもあれば採用(さらにブラッシュアップ!)、一方これは難しいよね、というものもあり、さらにお店を作る中でもっとこうしたらどうか?と友だちや大人からの提案から違うものに展開していく…ということもあれば、収穫物や頂きモノの素材をもとにお店のバリエーションを拡げていく場合など様々。テーマを出発点に色々なモノがつながって多彩なお店が展開する(実現する)、こうしたプロセス(商品化されなくても失敗ではない、次に活かせるきっかけも)をしっかり体験しているからこそ、当日のお店屋さんとしての本気度が子どもたちに表れてみえるのが木の花祭りの妙味です。
拠点(空間)を拠り所に・・・
平日分散で空間的なゆとりが子どものお店の枠を拡げることになり、一日目は年中さんと年長さんのお店は二階を年長さんが活用し、ホールは年中さん、庭を年長(劇場)と年中(足湯)でシェアする…という活用ができました。日目は年長さんは保育室とホール、年少さんは保育室と庭、そして「移動販売車」、どんぐりちゃんは保育室前のたたきを活用しました。年長さんの野外劇場は庭の環境をそのまま活かしたスタイルで、遊びそのもので馴染んだ「もっくん」(木工ハウスから砦)空間をそのまま活用。年中さんの「足湯」の場からも年少さんの保育室からも見える劇場でした。年中さんは保育室を明け渡しつつ、ホールで全面展開。縫物にしろコロコロゲームなどもホールで日々やってきた馴染みのある空間でもあり、違和感なく取り組み場所をお店の拠点に切り替えていました。年少さんは保育室というホームグランドをベースにしつつ、火起こしする庭の竈や、移動販売車という車を拠点に売り子になりきっていました。保育室のお店の子らがお客さんがあまり来ない時間帯に、自分らで自主的に商品を持ってホールに売りに出掛ける・・・という姿まで垣間見せてくれたグループもいて、これはすごい!と目を瞠ったものです。
どんぐりちゃんは以上児さんのお店(ホール、年少の部屋、庭)が見える環境として保育室前のたたき(いつでも逃げ場としてのカーテンの後ろを保育室という控えの間をもちつつ)で、しっかり以上児さんに影響を受けてお客さんに立派に対応しておりました。
地域のモノ(身の回りのモノ)を活かす・・・
年長さんは犀川神社の取材や園お向かいの等雲寺さんへの「龍」の聞き取りなど地域に出掛けての下準備が土台にあります(秋の縦割り遠足でも神社やお寺等で「龍」をずいぶん見てきたグループもあったようです)。犀川神社さんにはこれまでもお泊り保育や木の花祭りでのお店の場として活用させて頂いたことがありましたが、本格的な神社取材は初めて。小学生などはこれまでも社会見学としてあったそうですが、幼稚園児は初めてだったそうで、伝わるように話すのに腐心されたとは犀川神社の神主さんの弁。(当日見に来られて「完璧じゃん!」と子どもたちの神社に感嘆しておられました。)
年中さんは在園のお家の畑での玉ねぎ収穫から各種草木染の指導はこれまた在園のお家の
方の造形深い賜物です。そしてチクチク縫物ボラの母たちの存在も日常的にいたくれたこその、今回の染物屋さんの根気強い集中力を発揮した「商品」作りがあるのでは、と思います。
年少さんは庭での柿取りも他の子らに先がけて実践していましたが、足軽屋敷でザクロ取りなどにも出張。さらにとぎりんのご実家からお芋と焼き芋で使うトタンのご提供も(有難うございます!)どんぐりちゃんは担任のご実家で収穫したブルーベリーを活用(試作ではアイスなどもチャレンジ)。身の回りのモノとそれを繋ぐ人々のご協力があって、お店、商品が出来上がっていくのを実感できます。
ひととの繋がり、出会いの中で・・・
各学年のお店は一人のお店もありましたが最終的には数人づつのグループでのお店屋さん。やりたい中身でつながったお店もあれば、担任が意図的にグループで分けたお店もあります。自由遊びとは異なる出会いの場で、それぞれが持ち味を発揮する機会になりました。
一方、今回木の花祭り初の試みが延長預かりの子らのお店の出店。これは今年預かり専任のスタンスを任されたゆっぴーからの発案です。夕方遅くまで残る子らにお店の出店を投げかけて、有志の子らで夕方に取り組みを進めてきました。普段、夕方遅くまで残る子らが夕方に開店する・・・という「森のお菓子屋さん」は、大人版のお店の準備日に開店をぶつけたこともあり、結構大勢のお客さんで賑わいました。暗がりの中での店も楽しみにしていたようで、彼らの日常の生活感にも合っていたのでしょう。張り切りぶりが伝わってきました。働く母も増える中、子ども園としての木の花祭りの一つの可能性を拡げる大きな一歩だったと思います。
そして、子どもたちを本気にさせるのはやはりお客さんの存在。これは夕方の「森のお菓子さん屋さん」に限らずですが、平日の日中でも学年問わずご来店いただいた大人の存在ってやはり大きいと実感。実際当日は20分程度だったどんぐりちゃんの開店時間も、うめももさんの店に合わせてまだまだ…とばかり居残ってお店番をやり続けた子も…。庭のお店では時間延長で「商品」を売り切りたい!といううめももさんの集中力と持続性にも驚いたところです。昨年度もそうでしたが、これは以前の大人と子どもの店を同時に一日で行っていた木の花祭りでは見られなかった光景です。売り子として見せる年少やどんぐりちゃんらの自立した姿は平日開催のプラス面だと改めて感じます。(以前は売り子の時間が終わるとすぐに親元へ・・・というパターンだったので。)お客さんの中には小学生も。学校授業よりもためになるのではないかしら、と思うのですが、どうでしょう。以前、地域の小学校と連携事業で、1年生が買い物体験に来ていました。幼稚園からも「商品」の宣伝とお手紙(値段表)を持参して、生きた「算数」の授業だと当時は学校の先生ともいい交流が出来ていたのが昔日の感があります(悲)。一方で外国観光客さんのご来店は、門番の客引きの効果か?(笑)、これまた今後の文化都市金沢での一つの子どもたちの出会いの場としての可能性を拡げる方向性かも、とも感じたところです。
なおぐみの子ども達もちょっぴり先生と一緒に子どもたちのお店回りで雰囲気を満喫(スタッフのポケットマネーでのお買い物も…。お店閉店後に「足湯」のおすそ分けも…笑)。感覚で掴む非日常の一日、0、1歳はそれで充分、今後へ繋がる体験かと思います。
木の花祭りの取り組みを通じた子ども達のそれぞれの学びや力をスタッフ全体で今後共有すると共に一人一人の姿も他の周りの子らに見えてくるのが木の花祭りです。木の花祭りウィークを終えて、しばらくはお店屋さんのアフターの余韻をそれぞれ楽しみながら、此の後の園庭ワクワクプロジェクト晩秋編、木の花祭り頑張ったね、の保護者会企画(パン作り)など楽しみつつ、二学期もいよいよ佳境、表現のお祭りの最終章(発表会)、一年の総決算的な取り組みへとと子どもたちは次のステージへと登って参ります。
あゆどん(記)
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