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木の花幼稚園

梅雨空に 集めて流し 川作り・・・

 既に6月半ばにして夏空全開の中、北陸も梅雨入り。例年より10日以上も遅いそうですが、しとしと・・・という従来の梅雨のイメージとは異なり、線状降水帯があちこちで起きるスコール型の梅雨。各地で豪雨、洪水等の対策に追われるのが恒例になりました。

温暖化どころか沸騰化とも言われる地球の気候変動。日本の亜熱帯化に歯止めをかけられるのか?私たちの日常生活も問われる時代です。


・・・と、一方こちら(木の花)は庭の「洪水」対策。と言っても屋上プールが始まり、プール排水が流れてくる放課後の時間帯です。

プールの水は水路を経由してミニ「田んぼ」へ。「田んぼ」からあふれ出た水が園庭に拡がります。そこで園庭一面が「冠水」する前に、溝を深く掘り込む木の花「河川改修土木作業」に、まつくり、さくらあんずさんら腕に覚えのある子らが励んでくれました。「田んぼ」を起点に掘り進めて園地が緩やかにぐみ棟方面に傾斜しており、溢れた水はそちらに流れていくので、園庭の正面側にいく「川」と砦前側の方向から延ばした「川」、この二つが合流するぐみ棟ミニ畑前に「貯水池」(「温泉」、と言っている子どもも…笑)を大型スコップを振って掘削。掘って、放って、壕(ほり)進めます・・・。

日替わりでうめももさん、さらにぐみちゃんも加わり、「川」はあみだくじのように延びて、「大池」「貯水池」含めて繋がりました。部分的に植え込み込み方向にも「支流」を伸ばし、木々たちにも暑さの癒しの涼のおすそ分け・・・。


プール明けの翌日、天気が良ければ「河川」は大半が干上がっていますが、「大河」や「湖」は残っていて、「船」(牛乳パックなど)を浮かべてみたり、水鉄砲(竹鉄砲)で遊んでみたり・・・。ちなみにどんぐりちゃんがぐみ棟へ昼寝に向かう途中でリュックを背にスコップを持って、好きな歌を口ずさみながら「川」を拡げている姿に感涙。もう立派な「木の花作業員」です・・・(笑)。こうした庭の穴に溜まっている「湖」などで庭の遊具の鍋やらお皿などを洗う子どもたちを見て「エコですねえ~」と感嘆していたのは、職場体験で木の花に参加している中学生たち(今年は4校の中学生が入れ替わりやってきます)。身近なSDGsに感動した模様です・・・(笑)。


ちなみにうめももちゃんは新たに集めたペットボトルを切っていると、それを腕や足に入れて「ロボット」になってホール内を闊歩して遊び、これも身近な素材のSDGs。旧いペットボトル水路は随所から水漏れしていて(あえて穴を空けてあったりなど意図的です…笑)、この水漏れの水をカップや入れ物などにためて楽しむ子どももいれば、シャワー代わりにして涼を楽しんでいるさくらあんずさんの一人は、ベランダでこの水漏れを大きな水入れ容器に戻すようにトイを付けたりして、これまた半永久機関のような装置として水の再利用に尽力(笑)。溜まった水をカップやペットボトルですくって流しにいき、またその水が容器に戻ってくる、水道料金を掛けない、まさに究極のエコの実践ですねえ…(笑)。

金沢市の保育所所長研修で見学に来園された園長先生もこの水路を自園にも作りたい、とのこと。エコもさることながら子どもの遊び素材としても興味があるようでした。

(子どもたちの動き方が全然違う、とは木の花を見学された保育所の先生方の弁。遊具庫の使い方も大型積み木や長縄、スケーター等の遊び方も安心して見ていられる、とおっしゃていました。「安全」を重視して「これ危ないかな?」と思うモノをおかないことを第一に環境を考えてしまうと、子どもも何事もしない、挑戦しない静かな動きになるそうです。テーマは「インクルーシブ」でしたが、見学後の議論は、子どもたちにとっての育ちの力と「安全」とは何か?今の保育施設全体の課題に関わる大きな話題となりました。「水路」は保育所でもいけそうですかねえ。広まってくれれば、と願っておりますが・・・。)


 創立記念日をくぐって、夏空のもと(梅雨の合間に)子どもたちは水遊び、プール遊びに興じながら、一人一人の安心・安定の上に自己発揮を図っていく時期になりました。遊具庫からの自由なモノの持ち出し、大工遊びやロープ一本橋など、ぐみやどんぐり、新入園の子らの安全も配慮してきた遊びの数々も解禁です。季節感や気候も遊びの環境素材に変えて、子どもたちそれぞれが自分の世界を追究し、没頭する中でクラスそれぞれのカラーが見えてきます。


 「一日先生」、父レク、親子レクにビデオ懇談トークなど、木の花暮らしの一端に触れてみる中で、子ども達それぞれの育ちの今の姿、様子などを体感したり、話し合ったり、お家の人からの発見や気づき、参加することでのお家の皆さんからのフィードバックも新たな子ども理解、クラス理解、保育実践にあたってプラスに作用しています。またご近所のお店屋さんへの買い物や畑の収穫など地域資源を活用した日常の取り組みを近江町市場の絵画製作にも応用し、買い物→絵画→ご賞味・・・という丸ごと体験できる保育の流れも地域の皆さんのご理解、ご協力あってこそ・・・。


 夏本番に向けて、家庭や地域との繋がりの中で色々な大人も関わる機会を通じて、さらに木の花暮らしの、子どもたちの生活環境の幅が拡がっていくことを期待しています。

                                         あゆどん(記)

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