見送りし 背中の先に 春景色・・・
- 木の花幼稚園
- 3月25日
- 読了時間: 7分
麗らかな陽気が一転、また冬模様の寒さが戻ってきて三寒四温そのもの。そんな寒の戻りの中でしたが、雨、雪に遭うこともなく、27人のまつくりさんたちが木の花を巣立ってゆきました。

今回は「まつくり ものしゃべり そつえんしき ~うたもあるよ~」と、ちょこっと長めのタイトルをテーマに、幼稚園にある色々なモノたちをして語らしめる、今年の卒園文集の描き足りなかったところをモノがしゃべり、モノが動く・・・そんな卒園式でした。園で慣れ親しんだモノになってしゃべり、動き回ることで、卒園生たちのリアルな日常、こういう遊びや生活実態が浮かび上がってきて、その姿そのものが在園児(年少、年中)たちに、「これがまつくりさんだよ!次は頼むぜ…」という想いを感じさせる「バトン」渡しになりました。

昨年度の卒園式も思い出の振り返り形式ではない、「卒園式までとにかく遊びたい!」という子どもらの想いを実現した遊びを見せる卒園式でしたが、今年の子たちはモノを使った遊びではありますが、今回は遊びを「極める」ではなく、「究める」。モノの想いを自分なら・・・と考えて(感じて)、それを表現する…という新手法。なので日々卒園式に向けた取り組みもこれまでのモノの遊びをベースにしつつも、毎日変わっていたようで、モノの想いになりきっていく様子が徐々に高まっていく中での当日でした。

舞台構成などは時間短縮が図れて子どもたちも動きやすいようにスタッフ間で整理をしていきましたが、でも予定時間をややオーバーして在園児との降園時間帯に重なってしまいました(ごめんなさい)。実際の卒園式では、モノを擬人化する中でモノ同士の対話が(担任の)想定を超えて、卒園生たちアドリブだらけだったとか(担任曰く)。傍目にはそうしたアドリブをあのような場で自然に発揮できる、一人一人のそうしたアドリブが自然に出るほど自分らしさを発揮できていたことに感涙でした。

そもそも卒園文集自体がこれまでの縦版という常識を破り、横版で(でも縦版で描いている子もいるので自由形式といってもいいスタイル)、幼稚園の場所(空間)、モノが主語。モノ目線で自分たちの幼稚園生活を浮かび上がらせた文集づくりでしたが、これまでの文集と違って楽譜つきのページが結構あります。文章としての表現以上に、歌としての表現は、子ども時代ならではのモノへの感じ方なのかな、と、従来の文集の在り方一つとっても大人の発想の固さを再認識させられたところです(CDをつけるか?という話題もスタッフで上ったほど)。式当日のアカペラでの個々の子どもたちの堂々とした独唱もあっぱれ!ですが、最後に卒園児たちが来場者に向けて歌う歌がこれまでは既成の卒園らしい歌で締めてきたところを、卒園生たちの作詞作曲のオリジナルソング、「このはなようちえん、サイコー!」というテーマソングでの歌にスタッフ一同はさらに感涙です(木の花FBで当日の歌が聞けるとか。そしてこの歌の歌詞が卒園式での「ものしゃべり」の順番、プロットになっていることに終わってから担任から教えてもらいました)。

そして在園児を代表して参列していたのは年中、年少のさくらあんずにうめももさん。「年長さん研究」でお別れ会から文集までまつくりさんの様子をずっと「観察」、日常的にもこれまでまつくりさんを間近で見ていたさくらあんずさんが中心に、モノを絡めたまつくりさんの日常の遊びをクイズ形式で卒園生に問いかける形で「ものしゃべり」の流れの合間に参加。長丁場の卒園式をしっかり見届け目に焼き付けてくれました。例年以上の長時間での参列にあっぱれ!

さて卒園生たちがモノしゃべりだったので、スタッフは卒園生のぐみ時代からのエピソードを集めた歌を作成して、卒園生の育ちを振り返った歌&エールを贈りました。(相変わらず直前ギリギリでほぼぶっつけ本番。巻き戻しありでした…笑。)卒園生保護者の方々も職員の歌の最後に、締めのパーカッションにしっかり参加してくださり、卒園生たちへのエールの一端を担ってもらい、卒園生を見送りたい、と在園保護者の方々も階段席から参列。最後は卒園生の通り道のアーチを園児たちに連なって、お見送りアーチロードを担って頂き、これまた感謝です。

そして来賓の小学校の先生。恒例の卒園生のパフォーマンスの一番最後、「小学校のこと教えてください」という問いかけに、例年出番をお願いしていますが、今回参列された先生は「おしゃべりさん」になってのお応えに子どもたちも喜んでいました。学校の先生、とにかく式典というイメージで固くお話されるパターンが多いのですが、式そのものも「楽しかった~!」とのご感想。子どもたちの文集含めて、「子どもたちそれぞれの様子がホントに楽しそう、こんな温かい卒園式いいですねえ…」と有難いお言葉です。(ちなみになのですが、毎年来て出さった学校の先生には当日の朝、会議室で談笑しながら、実はお願いがありまして…と依頼しております。事前に、ではなく。木の花あるある、ですが、非常に木の花の雰囲気に合わせてくれる先生の参列にも感謝!です。)

卒園して旅立った年長さんですが、週明けは17日(月曜日)は卒園遠足。・・・の予定が、あいにくの雨。急遽、園でのお楽しみ会になりました。雨とはいえ、お世話になった犀川神社に卒園の報告&小学生になる祈願とおやつパーティの買い物、中央小学校へ臨席お礼のご挨拶、松の湯でほっこりあったまるお泊り以来の二度目の銭湯のんびり体験等々…地域に出かける盛りだくさんのお楽しみ会。降園も15時半とゆっくりな時間帯設定でしたが、フルーツたっぷりのクレープづくりのクッキングもあったので、最後はバタバタとしたパーティでの幕(これも木の花あるあるですねえ…笑)。それでも卒園式にも一緒に出た龍や龍神神社のパーツ、ゆりち人形など分配したお土産も抱えて最後の園生活を満喫したまつくりさんでした。

そしてまつくりさんの卒園パーティの翌日、さくらあんずさん、どんぐりちゃんは公共機関を利用して乗り物遠足。さくらあんずさんは小松まで、どんぐりちゃんは金沢駅まで・・・。一日たっぷりと非日常の旅を満喫。うめももちゃんは頂いたオレンジを一杯使ったオレンジケーキでのお別れパーティ。1歳ぐみちゃんは月曜日にはどんぐりの部屋で遊び、そこで昼食。来年のどんぐりさんへの地ならしに…。そして0歳ぐみちゃん含めて犀川までお散歩に(0歳はお散歩カーですが、1歳さんは行きは歩いて…。しっかり歩けるようになってきたねえ。)ぐみちゃんたちは一年最後のひとときをのんびりと平和に過ごしております(笑)。
その翌日にはおのこりのお店第2弾、『もりのころっけやさん(じゅーすもあるよ♡)』を夕方オープン。コロッケに干し柿ジュース、さらに「もりのミニミニ・ちくちく劇場」までてんこ盛りのゆっぴーらしい夕方企画も有志のまつくりさんも混ざって、多くのお客さんを迎えて、美味しく楽しく有難く開催できました。

そして終業式を終えた翌日の土曜日は音楽サークル主催の恒例の音楽コンサート。りえ先生の大学時代のオーケストラ仲間のバイオリンの奏者さんをゲストに迎え、在園、卒園のお家の方、子どもたちが数々の音色、歌声を披露してみんなで楽しみました。
なおコロッケ屋さんの収益、音楽の入場料、募金などは能登震災への支援に充てる予定です。チャリティオークションも盛り込みたかったのですが、参加者少なく断念。とはいえ折角なので、音楽会終了後、一応用意していた最新の庭のイラスト原画を額付きで興味のあるお家の方々に提示したところ、なかなかに競り合いまして、想った以上に高値で売れて感謝、感謝。募金に入れますね、有難うございました。

かくて木の花暮らしの2024年も幕を閉じます。新たな春は人生の「旅立ち」でもあり、様々な別れの季節であると同時にまた新たな出会いの時期でもあります。新たな学年に上がることで、また新しいつながり、出会いが生まれることを願っております。一年間、本当に有難うございました。
あゆどん(記)
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