梅雨と言いながら線状降水帯による豪雨が九州から北陸、東北へと全国的に乱高下?しながら続く今年の夏。梅雨でありながらすでに猛暑の日もあり、猛暑と災害級の豪雨が併存するところに現代的な気候変動を痛感します。そんな天候不順の梅雨明け前にまつくりさんのお泊り保育が先週末(7/19~20)にありました。
お泊り保育は幼稚園を全面使って多くのスタッフも共に過ごす、一宿一晩の特別なイベントです。そんなお泊りですが、これまでは初日は午前保育で、一旦お家に戻ってから改めてお泊りの荷物を持って園に参集、午後2時から開始…というのが定番でした。幼稚園時代は終業式後の午後からがお泊り、と決まっていて、明日から夏休み…なんだけど、まつくりさんだけは帰ってからお泊り荷物を持って特別に集まるんだよねえ~という終業式でのお話に、子どもたちは(年長以外の子らにも)年長児ならでは
の「特別感」を感じていたものです。明日から園はお休みで、でもまつくりさんだけには全面的に開放する、先生も全員一緒に泊まるよ・・・というのは、なかなかの特別感です。しかし働く母も増え子ども園になりでお泊り保育も今は週末開催にシフトしています。
しかし今年は、初めて午前保育は年中以下で、年長さんは朝から荷物をお泊りの荷物を園に持ち込んでの開催となりました。これは年長担任から今年の子どもたち見てきて、お昼で家に戻ってリセットするより朝から徐々に気持ちを高めていくほうがいい、・・・との担任の想いから、職員会議での議論の末にこのような取り組みとなりました。担任も子どもたちに訊いたそうです。朝から荷物を持ってきてお昼にはお家に戻らず、お泊りをやりたいがみんなはどう思うか?、と。子どもたちは「家に帰る時間がもったいない」「準備したい」という賛同する声もある一方、家に帰って「ゆっくり持ちモノを確かめたい」という声も上がったそうです。
一旦帰ることで気持ちがリセットされる…という声はなかったようで、先生たち(担任以外)が危惧した疲れるのでは?という懸念も、実際に終えてみると、これまでとさほど影響を感じることはありませんでした。むしろ午前の準備タイムから継続なので、気持ちの上がり具合は目に見えて分かり、当初午後2時予定の開始時間を前倒しで1時半ころにスタートを切り、スケジュールに余裕が持てました。そして午後9時の就寝にほとんどの子がすとん!と眠りに
落ちたこと、そのまま大半の子は朝までぐっすりだったこと、翌日も元気満載で終えたことは、体力的にどうか?という私たちの不安を払拭してくれました。
多様な家庭が増えお昼に帰れない子も増えてくる状況は今後も変わらないでしょう。持ち物などは前日までに時間をかけて準備できると思うので、午前からお泊りを始める…という方式も十分意味があることを改めて実感できました。
今回のお泊りで初めてだったことがもう一つ。くじ引きで夜朝の食事担当の先生を決める・・・という、これもお泊り保育初めての試みでした。子どもたちの見守る中、先生たちもドキドキしつつ、くじを引いて、子どもたちの歓声が沸く中、担当の先生が決まりました。誕生会でその場で役をくじで決めるような感じです。担当の先生もお泊りのその時々で異なり、色々な出会いの機会と、その時どうする?ということをその時の先生と相談して決めていく・・・という対話重視の形式にしたかったから、と担任は言います(事前に担当の先生を割り振るとそれはそれで互いの安心感も生まれる一方で、子どもの思いを大事にしつつも先生が失敗をせんように無意識に手助けもしがちです。なので今回は先生たちも何をせんなんけ?とドキドキなのでした…笑)。
その場の状況に応じて決めていく…という局面がもう一つありました。お泊りの夜のお楽しみが園内探検と虫探し森探検の2チームに分かれての活動を予定していましたが、あいにくの天気(雨)だったのです。外をあきらめて中の探検に全員混ぜてもらう…という提案もできたし、合羽を持ってきてもらったので全員で予定通り行くこともできたのですが、担任は、あなたはどうしたいか?子どもたち一人一人に投げかけてみたそうです。
結果、15人のメンバーのうち、10人は行きたい、5人は残りたい、とのことでした。それぞれの活動の中身が全然違うので、クラス内で違う活動が入ることで相互に響き合う(様子を聞き合うことで体験の幅が広がる)ことなので、どちらがいい、と言う話ではありません。この状況を自分で考えて自分で決める(その結果も引き受ける)、そこに責任感と充足感が生まれてくる、と思うのです。(それぞれの中身も面白いものでした・・・お泊り保育報告編参照)
自分たちで考えて創りだした一宿一晩の大冒険の物語、今年も色々なドラマを生み出して、それを共に体験できた先生たちも感無量です。ご協力いただいたお家の皆さん(年長のみならず、在園の全てのお家の方々へ)、本当に有難うございました。
今週から夏休み。夏休みに入ってから夏季遠足、8月の夏季保育には音楽尽くしのコンサートやワークショップ、その後に同窓会、夕涼み会等、非日常のお祭りもあります。お仕事等の事情での夏季預かり保育も異年齢混合の特別形態の保育で、職員はローテーションで勤務に入り、この期間、身体も頭も心も充電できるよう、様々な研修、研鑽、私的な非日常の体験を積んでいきます(特に今年は石川での教研大会!)。
お家の皆さんにも実りある夏休み期間であることを願っております。一学期、様々なご協力を有難うございました。
あゆどん(記)
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