始めに・・・大雪対応に感謝、感謝、感謝!
節分を終えると立春、そんな季節巡りとは真逆の最強寒波襲来・・・。

今年の冬はこのまま終わりかと寂しい想いをしていたので、ウキウキと恒例のスキー出勤に・・・。怒涛の新雪に犀川自転車ロードは見事な雪原。犀川沿いの橋下も見事に埋まってスキーを外すことなく通過できます(経験上この橋下の状況で寒波具合が分かります。1週間続けてスキーを外さず通過できたのはこれまでにはないので、過去最強は間違いない、って感じ)。
「ぼくのまえに道はない。ぼくのあとに道ができる・・・」如くスキーを走らせていると、道行く在園の親子や小学生などからも声がかかり、橋上の通勤客からはギョッとした怪訝な視線・‥(笑)。

犀川べりを離れて中央通りの横断歩道はスキーを外し、渡りきるとまたスキー装着。ご近所さんに「また出たね~」と笑われつつ幼稚園着。約50分。怒涛のラッセルで心地よい汗をかいてすでに一足先に雪かきしている職員たちに合流です。ちなみに帰路は通常は朝のトレースを利用して快適な滑走のはずが、今年は見事に真っ白けのノントラックの雪原にうんざりしつつも、幻想的な風景の中、猛烈な季節風に背中を押されて意外に進みます。1週間もスキー通勤を続けるとレーンが出来て後半は快適滑走なのですが、行き帰りほぼノントラックは史上初。やっぱ最強寒波ですね。

(ちなみスキーはゲレンデ用ではなく、山スキーのモノ。ヒールフリーで歩けるのでクロカンに似たイメージです。ただ道具は古く今回も途中で靴はバックル外れるなど劣化もひどいシロモノを使ってます。板も滑走面は傷だらけ。なので雪の坂道もそのまま登っていけます…笑)

さてそんな最強寒波襲来の中、年長発表会では園庭への駐車を早々に見切りをつけて、園駐車場の除雪の雪をせっせこ庭に運ぶ作戦に。そんな雪かきの努力も当日朝のカチコチの道路状況から園前の通りの広見の角の先で一般の方の車両事故が発生。大渋滞が起きた時には、今から子どもらの登園をどう確保するか?頭を悩ませましたが、ご近所の方々と協力して車の通行を確保し発表会が無事開催できたこと、この場を借りてご近所の皆様にも感謝申し上げる次第です。職員が対応に手を取られる間、子どものドライブスルーなどのお手伝いをしてくれたお家の方やこの寒波中、登降園の際にもお家の方が雪かきに協力してくれたり、多くの人たちの力を借りて乗り越えて開催できた発表会でした。感謝、感謝、感謝!
挑戦する子どもたちと担任たち・・・

さて発表会シリーズのアンカー、まつくりさん。今回は年間を通したテーマでもあった「りゅう」にまつわるお話の劇でした。(詳細はHPのおしゃべりなど参照ください。)題材としては土台になる原作の絵本があり、子どもたちにはイメージの共有はしやすいところでもあるのですが、表現の手法として、これまでにない取り組みにチャレンジしてきた、と思います。

一つは影と光を使う影絵での表現。発表会で子どもたちのやってみたいことの一つだったそうです。以前もPCにスクリーンを使った劇を創作した取り組みもありましたが、今回はプロジェクターを舞台後方に置いて光を白い布に当てて影を浮かびあがらせて、作ったペープサートや絵(背景画)、あるいは自分自身の体を影として浮かび上がらせて、お話を展開。影絵では出来ないところは実演で表現する、その双方を織り交ぜた新しい劇作りにチャンレジしたそのフロンティア精神にあっぱれです。光と影が織りなす「実験」を色々試行錯誤しながら、「嵐」の場面や「カナリア島」でのカナリアとのやりとりなど想像力を創造力に活かしていった工夫が子どもたちの自信にもなっていたかと思います。

二つには2人組の操り人形、「浄瑠璃」風の劇。この種の人形も過去にはないわけではな
いのですが、登場人物(りゅう含め)全て、操り人形というのは初めてかも・・・(よっしー曰く「浄瑠璃」との表現がぴったりかも)。取り組みの過程でたまたま子どもが見出した素材からその大きさ(重さ)故、一人では操作は難しく・・・という点も、協同性を意識していた担任のねらいにハマり、手首をゴムで一体化することで、人形使いの役どころとしての表現、自分自身が人形使いになっている意識、自負を感じました。苦労して作成し使い続ける中での愛着を持ち続けた子どもたち、偶然を活かした「人形浄瑠璃」にあっぱれです。

三つには「歌」によるセリフ回し、ミュージカル的な表現へのチャレンジです。「龍」とは別に夏にプロミュージシャンの方から受けた音楽ワークショップでの影響以降、音作りや歌作りにも色々な場で取り組んで発表会でも、数々の歌を場面の紹介、展開として活用してきました。個々のセリフ(会話)でのやりとりは難しくても歌でなら、リズムを付けて堂々とやってのける・・・そんな子どもたちの特徴を生かした劇作りに腐心してきた担任達。結構なむちゃぶりを子どもらにして「歌」作りに励んできましたが、セリフを覚える…という行為よりも何十倍も楽しい歌作りだった模様。音作り、効果音なども楽器+様々なモノで創り出して、その歌を通じて劇を回し、効果音、音楽で表現に奥行きを与えていく・・・。

様々な役をこなし同時にそうした歌や音、音楽をこなすことでの劇作りを何より楽しんでいた子どもたち。元々ミュージカルをしたいという担任の想いに、子どもたちがそれ以上に応えていった対話的な取り組みにあっぱれです。
日常のそれぞれの個性を活かす発表会・・・
発表会は取り組みの背景にはこれまでの園生活での育ちの姿がベースになります。個々の興味関心や発想や工夫、遊び具合、それぞれの個性の発露が発表会の当日、取り組みの中でもあちこちに観られました(個々の姿の詳細は個人面談で)。

クラス全体として発表会で存分に発揮されたカラーの一つと感じたのは、例えば、「わるものビル」の創作話の結末のくだりなどこの子たちらしさを体現しているように感じます。ストーリー自体は比較的単純ですし、悪者から逃げるなら「りゅう」に乗って飛んで逃げれば‥‥と突っ込みどころも満載ですが(笑)、でも「わるもの」は別に懲らしめられるわけではなく、エルマーが見つけてきた宝物を頂いているのですから、「わるもの」も悪くない想いをしてエンディングです。このような「平和的な解決」を目指すのは節分の際の「ゆりち」人形と鬼との結婚式パーティ作戦を立てたところとも相通じるような気がしますが、「わるもの」を悪者として切り捨てる存在ではないところで収めているところにまつくりさんの「らしさ」が垣間見えます。 人間関係で色々ともめてきた子どもたちの育ちの中での課題を担任もこれまでもずっと悩みつつ、子どもたち自身がぶつかり合いの中でどう折り合いをつけていくか?そんな一つの解決手段を子どもたちが劇の中でも見出していたのかな、とも感じます。

またアドリブの多さも今回発表会の大きな特徴です。多様な役回しを友だちと協力して担うのは年長の発表会ではあるあるで、これまでもアドリブが出ることも多々あったのですが、今回はセリフも会話も行動(表現)など当初の担任が描いた流れの想定外のアドリブが相当随所にあり(お客さんには分かりずらいかもしれませんが)、担任始めスタッフも驚きの連続でした。決まったセリフではない劇作りとしてやってみたいこと(追究してきた)の中身を重視してきた担任の思惑もありますが、さらに担任の想定を超えて個々に子どもたちが劇を自分たち自分「らしく」回して、練習ではなかったような入り方、多様な姿を自発的にみせて、ホントにスタッフも感嘆、感涙。その子「らしさ」を発揮し、自分たちはこうなんだ・・・という共に育ちゆくまつくりさんたちの姿に、発表会って改めていいなあ・・・と感じたところです。そんな「らしさ」をぐい~と引き出してくれたのは本番のお客さんの温かな眼差し、反応などがあってこそ、ホントに感謝、感謝です。

エルマーの冒険を出発点に、2つのチームがそれぞれの表現方法を駆使して、それを合わせて僕らの物語としてクラス全体でまとまっていく…そんな姿を劇の最後の歌に込めていたようで、卒園を間近に控えた子どもたちの凛々しさをお客さんたちに示してくれました。目の前の年中さんが一番それを感じ取ってくれたらうれしい。
友情出演とお客さんで・・・
その年中さんにまつくりさんの姿を一番感じてほしくて今回はお家の前に陣取らせて頂きました。オープニングではまつくりさんにQ&Aで劇の主である、エルマーやりゅうに質問攻め。不思議なことに答えがまつくりさんの中に割れることなく一致していたのが摩訶不思議でしたが(クラス内で示し合わせることもなかったそうです)、そしてこの冒頭の子ども同士のやり取りがまつくりさんの緊張をほぐして、前述の「らしさ」を発揮する最初の後押しになったくれたように思います。影絵の面白さは自分たちでもやってみたいと年中さんからも声が上がっている、とか。まつくりさんのようなことをやってみたい、そんな憧れを心の中に募らせてくれたらうれしい。

二階席からはうめもも、どんぐり、ぐみちゃんたち。遠くなる分、子どもたちのセリフなどは聞き取りずらくなりますが、俯瞰して観える分、場面の構図、展開の仕方が分かりやすく、前半、後半と長時間にも関わらず、食い入るように見つめる子どもたちの姿が印象的です。逃げ場としてあるさくらあんずの部屋に入って遊ぶ子もおらず、休憩も入れて下の学年の子らもお客さんとしての気分をリセットして仕切り直しでき、最後の「かえろう」の歌声にも聞き入っていました。

そして大人の圧巻なお祭り!
発表会の最後はこれまた幼稚園時代の最後となる舞台のまつくりの親御さんたちの出し物は歌あり、踊りあり、これまでのまつくりさんたちの幼稚園時代にしてきたものをアレンジしたパフォーマンス。最後に出てきた巨大な龍の作りモノは圧巻! 龍神神社での最後のおまじないで「岩」が割れて出来てたのは・・・?子どもたちに負けじと子どもらに内緒でのお家の方々の隠密作戦はここで最高潮に達し、いつもながら木の花の親御さんの保育にリンクした出し物に感動(製作と演出のクオリティにも脱帽)。素敵なエールを子どもたち、木の花幼稚園にも頂けたことに感謝でいっぱい。笑いと驚きと興奮と泣き声(一部、怖かったという子も…笑 それだけの迫力でした!)を溢れさせて子どもたちを堪能させてくれたお家の方々(サポートしたおやじたちの見事な協力ぶり含め)のパフォーマンスにあっぱれです。
結びに・・・発表会を終え新たな春へ・・・

かくして無事に発表会シーズンを終えました。参加のお家の方、本当に感謝です。異学年のお家の方々もこの大雪の中、少なからず観に来られたことも嬉しく思います。どんぐりちゃんから年長さんまでみんなそれぞれ舞台を潜って一皮むけて、いよいよ新たな春を迎えるはずですが、この

大雪! 新たな春を早く迎えられるよう園前の道路、駐車場、ご近所の周りの雪、世間でお困りものの雪をみ~んな根こそぎ園庭に持ち込んで、木の花版雪だるま祭りを初開催・・・。

午後3時から門扉を明けて道路や駐車場、ご近所の前に積まれた雪を親子で運び入れつつ、思い思いの雪だるま作りに励み、中にはエルマーの「りゅう」のような造形物(かまくら付き)も(きょうだいの小学生組が奮闘!)。「根こそぎ」はさすがに無理でご近所さんに子どもたちが取りにいくからね・・・とあいさつ回りして、期待されていたご近所さんごめんなさい。ご近所、地域の方も来られて喜んでくれたのが幸いです。これも木の花流の地域

貢献。車を止めないで、という条件の中、雪だるま祭りへの参加のご協力ありがとうございました。車を止めないで、という条件の中、雪だるま祭りへの参加のご協力ありがとうございました。うす暗くなる中、色々な雪だるまにろうそくの火を灯し、これまた大雪で苦しむ能登へのエールになればうれしいねえ・・・。長町から冬を終わらせましょう(笑)。
あゆどん(記)
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