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大寒に 舞台を創り 雪遊び    ~年少発表会、有難うございました

 元旦の大震災から早1月。奥能登など被害のひどい地域へはなかなか一般人は支援に行きにくい状況に悶々としているとある日、木の花への突然の来訪者がありました。博多からやってきた今はもう高校生となった木の花卒の子どものおやじさん。当時のおやじの会の面々を引き連れ夜の片町をあまねく席捲した強者です(笑)。聞けば、能登の震災で被災家屋の鑑定として派遣されてきた、とか。専門職の強みでもあるなあ・・・と羨ましく思っているところ、ようやく一般ボランティアの受け入れも始まりました。が、受け入れ先の状況もあるのか募集人数の枠が少なくあっという間に募集は埋まり、これまた悶々とする中、県内の保育団体による能登の被災幼稚園、保育園、子ども園への支援物資の配送ボランティアに混ざてもらいようやく被災地へ・・・。

 園庭が地割れで使えず、断水が続く中で屋根からの天水を貯めて保育を再開している保育関係の皆さんの苦闘には頭が下がる想いでいっぱいです。ペットボトルの飲料水も大量に運びましたが、ペットボトルで水路も作れるなあ・・・と不謹慎にも思った次第です。一日も早い断水解消を専門職の方々に願うばかりです・・・。

 

 

 さて先週は本格的な寒波の襲来の中、発表会シリーズの第2弾、年少発表会がありました。

 

 

 日常の中の年少さんのモノの扱い方の面白さをポイントに、もも組さんは色々な素材で多様な道具を使って、ホールでも部屋でも、お庭でも「お料理」(お店屋さん)ごっこが昂じて「レストラン」のお話を舞台に。作って楽しみ、売って楽しい・・・というやりとりと同時に木の実やらの「具材」など鍋やお玉などの道具の中で奏でる音の響き合いのアレンジも楽しんできた子どもたち・・・。

 

 一方うめ組さんは、部屋の空間づくりを季節に応じ、様々なレイアウト替えを楽しみ(担任の今年の年間のテーマでもあるとか・・・)、幼稚園の様々な遊具や椅子などの備品、廃材(筒など)を駆使して自分の居場所作り、空間を創造することを存分に楽しんできた子どもたち。お客さんにも見やすいように絵本「14ひきのねずみシリーズ」をうめ組バージョンに改めて構成しましたが、ポイントは子どもたちのモノを活用した空間づくり(家や道、迷路、時には町・・・)。発表会に向けて・・・というよりは、取り組んできた遊びそのものを舞台にして、大勢のお客さんを前にそれぞれがやってきたモノを活用する遊びを見せてくれた主役の子どもたちに拍手です。

 当日はいつも通りマイペースな姿もあれば、大勢のお客さんを前に普段とは違う姿もあったり、動き方や声のかけ方なども予測不可能なところも年少発表会ならでは。担任それぞれお話を回す役どころ(店長さん、うさぎさん)で進行役として入るものの、どこまで子どもたちに任せるのか?(耐えるのか?)ドキドキ感満載の当日だった、と思います。


 

 オープニングを飾ったプチ・ぐみちゃん(2歳)はプチぐみ交流を運動会、木の花祭り、クリスマス会という取り組みの雰囲気を味わいつつちょこっとづつステップを踏みつつ、人間関係の広がりも見えてきたところでの発表会。オープニングの出番も臆することなく、いやいややりたくない子までこれまた一人一人それぞれの姿をお客さんの前でしっかり出せただけでも拍手ものです。

 

 また子どもたちのトリを務めたのはまつくりさん。次なる自分たちの発表会の宣伝を兼ねながら、幼稚園時代最後の発表会に向けての取り組み途上のストーリーの一部を紹介して、自分たちへのモチベーションを上げていよいよ取り組みも佳境を迎えます。

 

 発表会は当日の舞台だけの姿だけでなく、それまでの取り組み、そしてその後(アフター)の姿も含めて・・・という連続性の中にあります。

 日常の中の遊びを土台に子どもたちのカラーを照らしながらテーマに据え、取り組み自体に色々な学びを得ていますが、当日の舞台を自分で「くぐる」(対面で人前に立つ)ことで得る自信を糧に、それぞれの子どもたちは一つ脱皮を遂げ、大きな壁を越えていったうめももさん。お家の人たちの生の目の存在、同じ空気感を共有して舞台を創ってくださる大人たちの眼差しが演じ手の子ども達を支えている、と想い、極寒の中、子どもたちの発表を温かく見守ってくださったお家の皆さんにも改めて感謝です。

 お家の方たちはこの震災を受けて様々な想いが去来する中での発表会の出し物であったかと思います。被災地にご実家やご親戚等おられる悲痛な想いの方もおられる中で、事前練習無しで子どもたちとコラボする楽しさを分け与えてくれました。

本当に感謝、感謝、有難うございました。


 次はいよいよ子どもたちのオオトリ、まつくりさんです。極寒の季節も遊びに変えて知恵と生活の逞しさを兼ね備え、能登の子どもたちにもこうした行事を楽しめる日常が一日も早く戻ってくることを願いつつ、新たな春の到来を待ちたい、と思います。

                  あゆどん(記)


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