まつくりさんは、2月中頃から卒園式に向けて、幼稚園時代を思い返す取り組みをゆっくりと時間をかけて行いました。
『年少の頃』、『年中の頃』といった枠だけで思い出すだけでなく、「今までどんなモノ作って食べたかね~」とか「どんな歌、うたった?」とか、遠足やお散歩に出かけたことなどなど…。
ひとりの子が話すと「あ~そやった!でね~僕がね~…」と違う子も思い出し、思い出がどんどん繋がっていく、広がっていく。
また、子ども達も話しながらどんどん記憶がよみがえっていく、鮮明になっていくようで、その時のことを細かく話し出したり、「実はあの時…」なんてその時は言えなかったことや思っていたことなんかもポロリとつぶやいたり…。そんな想いやつぶやきが、その子らしさだったり、その子の面白さだったり、その子の木の花生活だったり。みんなでたくさん思い出した後、文集製作に突入しました。
文集製作は、文字や文章が上手に書けるようにとかではなく、自分が伝えたいことや、思っていたことを文字や絵で可視化する、表現する機会だと思っています。なので、絵がどーん!と大きく描かれていて言葉よりも気持ちが伝わる作品や、暗号のように書かれていて読むのに頭を使う作品なんかもあって、書き方にもその子の個性が出ています。
テーマも「今日は幼稚園でおすすめの遊びを書いてみよう!」「今日は幼稚園で大変だったことを書いてみよう!」など、毎日テーマを替えながら思い出を書いていく中で、その子らしさが伝わる作品だったり、その子の気持ちが入っているような作品を文集に載せました。
楽しかったことや気持ちよかったこと、得意なことを書いた子もいますが、中には、怒られたことや、苦労したこと、内緒にしてたことなんかを書いた子もいます。それは幼稚園生活の中でその子にとって強くインパクトが残っていることであり、楽しいことがなかったわけではありません。時間が経ったからこそ言える、今だから言えることであったり、大きくなって読み返してみた時に「そんなことあったかもっ!(笑)」なんて笑い話にきっとなるでしょう。
そしてそれは、その子だけでなく、他の子にも伝わる。
“その子”が伝わる。“その子”を思い出す。その情景も思い出す。その子が書いた作品からたくさんの幼稚園のことが引き出されるきっかけになる。だからただみんなが「楽しかった」を書くのではなく、“その子”が分かる作品を載せるということ。だから面白い。
今日、子どもたちは“みっけ”た冒険の記録、卒園文集『このはな おもいで みっけ』を持ち帰りました。
帰りにみんなに少し話をして文集を手渡すと「早く読みたい!」「宝物がふえた!」「あ~がまんできんかも」なんて口々に言い、自分たちの文集をすごく楽しみに大事そうに抱えている子どもたちを見て、本当に早く帰って読みたいんだろうな~と、ワクワクがとても伝わってきました。
是非、お家の方も一緒にゆっくりとみんなの“みっけ”を読んでください。きっとお家の方も木の花幼稚園生活を思い出し、自分なりの思い出を“みっけ”できるはずです。
記:よっしー
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