2026年度 保護者会総会によせて…
- 木の花幼稚園
- 4 日前
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けったいな形態の木の花幼稚園・・・バトンを繋いで121年!
木の花はお陰様で121歳になりました。現存する日本最古の幼稚園は、お茶の水大学付属幼稚園で創立は明治9年(1876年)。木の花は明治38年創立、県内では、金沢大学付属幼稚園、北陸学院大付属の第一幼稚園に次いで3番目に古い幼稚園になります。大学などの付属幼稚園でもなく、キリスト教や仏教などを後ろ盾にもつ宗教園でもなく、創設者(オーナー)の世襲で続いている園でもない、卒園生、関係者、地域や家庭が支える…このような園は金沢市内はもとより、県内にもなく全国的にも相当珍しい園だと思われます。
閉園続く幼稚園・・・幼児教育施設の危機
厚労省の人口動態統計2025年の発表が先日ありました。出生数は67万人、女性の合計特殊出生率が1.14と、いずれも過去最少、最低を更新。少子化が加速度的に進んでいます。減り続ける子どもの数、真っ先に影響を受けるのが幼児教育・保育施設です。県内でも幼稚園が園児募集を止めて休園(閉園)となるケースが増えています。先月幼稚園協会のアスレバルがありましたが、観客席が埋まっていた20年以上前とは隔世の感があります。園児減少から参加園自体も減っていることも一因です。パラバルーンも20人を切るとやりにくくなりますし、働く母も増えて会場への送迎も課題となっている園もある、と聞きます。)私学助成の幼稚園から施設型給付の子ども園へと石川県の幼稚園協会加盟園もほぼ切り替わりましたが、運営上の危機感は各園でも深刻さを増しています。
危機に際して母たちが立つ・・・保護者会の源流、ここにあり!
木の花も実は閉園の危機がありました。街中人口の減少、いわゆるドーナツ化で昭和の後半、昭和50年代から60年代です。園児数減少で閉園の危機が叫ばれた頃(学校法人の理事会で閉園について議論)、制服やバッチを用意したり、大型遊具を入れたり、園も色々努力は試みていたのですが、園児数は減り続け、30名を切りました。その時に立ち上がったのが当時の母たちです。
「バザーをして稼いで遊具を買おう・・・」と母たちがバザーを始めたり、毎日がお弁当であった当時、理事長と直接交渉して外注搬入の給食導入のきっかけを作ったり、さらに「わたしたちも作るから・・・」と保護者会クッキングを始めたり、お芋畑を園庭に作ったり、地域でみつけて芋ほり遠足が始まったり、当時の園長先生がお茶の師範なので母たちの依頼で年長児のお茶が始まったり、私ら手伝うからとお泊り保育を始めたり、夕涼み会、誕生会やクリスマス会など今に続く行事や生活の大半がこの時期に保護者たちの提案と対話、協力の元に生まれています。
母たちは様々な想いを園にぶつけ、自ら手を貸して保育現場に「活」をいれてくれました(喝!か…笑 当時の理事長に様々な直接談判したのも木の花の歴史上初めてのことだったそうです)。閉園の危機を目の前にして、保護者発信で始まっている、今につながる行事、企画、生活等々を私たちは引き継いでいるのです。
保護者会が消えてゆく・・・幼児教育の現場で進んでいること
子どもから子どもへと遊びの文化を繋いできたように、閉園という危機の際に親たちの主体的な発想と行動力で、閉園を乗り越え、保育の枠組み、生活の在り方を拡げ、「大人の参画」という園の保育文化を再生、時代に見合うようブラッシュアップしてきました。明治以来の母の会から保護者会に名前を変えて、今日まで創造的に発展して保護者会は引き継がれています。
このような自主自立的な保護者会の在りようも今日の幼児教育・保育施設ではとても珍しくなりました(保護者会がない園、あっても形式的な園がどんどん増えています)。小学校教育以降のような教科学習と違い体験学習の幼児教育の豊かさのポイントの一つはその周辺の大人の在りようです。子どもたち一人一人の育ちを我が事のように喜び合える、たくさんの大人の手が子どもの背中を支える、親同士の関係性の豊かさが、子どもたちの育ちの安心・安定の土台になり、子どもの「引き出し」を拡げるチャンスを生み出していることは間違いありません。100年以上同じ土地で幼稚園を続けてきた原動力は関係者や卒園生、そして家庭の方々の想いが基盤にあります。
子ども受難の現代・・・便利さの陰で危機的状況
現代は地球温暖化の異常気象、洪水、竜巻、山火事ほか、都市部にも出没する熊騒動も毎日ニュースになっています。自然災害に加えて国際紛争、戦争など人類存続の危機的時代とも言えるかもしれません。一方で、AI、ITによる最先端技術は世界を繋ぎ、AIによるチャットGPTなど答えがすぐ出る、便利な時代にもなりました。でもそれは本当に知性を磨く、人々の幸せを生み出すものなのでしょうか? AIによる兵器が戦争の形態を変えた、とも言われます。殺戮がゲーム感覚になる現代。海の向こうの現実は他人ごとではありません。日本でもフェイク動画に炎上、ネットいじめなど膨大な情報洪水の中で、SNSによる闇バイトに応募して犯罪に巻き込まれる高校生も・・・。心の拠り所、相談相手が「チャッピー」となり、あげく自殺を手助けするようなAIに答えを求める若者たち・・・。自殺した人の総数が全体では減る一方で、小中高校の自殺者数は過去最高を更新。全てがAI絡みではないでしょうが、自らの未来に希望を描けない子どもたちの増加は、今の日本社会の在りように大きな警鐘を鳴らしている、と感じます。他にもいじめ件数、不登校児童数、虐待通報件数、引きこもり人口も右肩上がりの世相に、教員志望の減少と精神疾患での教員の休職者は増加。保育士、幼稚園教諭志望の学生もどんどん減り人手不足と相まって保育の質が低下していく懸念が現実にあちこちで表出しています(通園バスでの園児置き去り事件や「不適切保育」等)。
子どもの安心・安全をどう担保して保育を行っていくのか?そうした事故・事件への対応がさらに機器による「安全管理」とチェックリスト…というデジタル思考的な方向性が強まり、子どもの生活をさらに窮屈にする悪循環。社会のしわ寄せの矛盾を子どもたちが背負わされているかの如くです。
多様な子どもたちが育つ木の花暮らし・・・「水やり」は周りの大人たちと共に・・・
そんな時代ですが、木の花っこは先人の母たちから育てられたスタッフたちが引き継ぎつつ、皆さんに支えられて今や化石のような子どもらしい遊びの文化を引き継いでここで息づいています。一昨年から0歳の受け入れも始め、0歳から6歳までの子らが混ざり、一人一人の子供がその子らしく育っていく園生活、個性あふれる発想、それぞれの感性が響き合い、一人一人に出番が子どもにも大人にもある木の花暮らし。木の花暮らしを担う両輪がスタッフたちの教育・保育の営み、そして保護者会、おやじの会などのお家の方々の支えです。様々な保護者の方が参画できる場であり続けてほしいと願い、また多様な子どもたちが共に育つ環境を周りから見守り、色々な大人たちの「手」で一人一人の子どもたちの「背中」を支え、時には挑戦しようとする「背中」をそっと押してあげられる場としての幼稚園。たくさんの人の手に支えられてたくさんのひとの愛情と眼差しで育てられた子は、「ひととつながるって楽しい」「一緒にするって面白い」「人生って楽しいなあ」という原体験を大きくなって身の回りを支える人へと育っていき、木の花暮らしで育っていく子どもたちが、不透明な未来の新しい時代を切り拓き、寛容性のある希望の持てる平和で持続可能な社会を築く担い手になることを信じています。
今年度はおやじの会のほろ酔いに負けじと母らもほろ酔いを今年は年3回企画とか。お家の方々のつながりもこの先、小学校以降どころか子どもが成人して以降も続くのが木の花あるあるです。園庭ワクプロも拡大版も来週から始まります。ツリーハウス作りに負けじと「竪穴式の住居」を作るとか妄想を膨らませる職員もいます(笑)。よかったらどうですか?木の花の庭の環境を覗いてみませんか?(飛び入りも大歓迎)
面倒くさいこともありますが、だからこそ面白い、どの子も、どのお家の方も、顔がわかる、顔でつながる、みんなでする子育て、共に育てる共育の場を、より今の時代に見合うように創っていければ、と願っています。
本日は本当に有難うございました。(保護者会総会での顧問挨拶を加筆修正しました。)
あゆどん(記)



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